運命に導かれて
幸い怒声を放って出ていったルカは
あの日以来部屋には不思議と姿を現さない。
アリーと2人で静かに過ごせている。
ただ羽衣はそれが嬉しくも心苦しくもあった。
自分のせいでアリーまで長い時間この部屋に拘束させてしまっている。
いくら広いといえど息が詰まりはしないかと気がかりだった。
羽衣は幾度となく1人で大丈夫と訴えるのだが
アリーは首を横に振るばかり。
せめて少しでも早く解放しようと
例え眠れないとわかっていても早々にベッドに入ることにしていた。
もちろんアリーにはお見通しだったが
アリーもまたその時は羽衣の気持ちを汲んで
ベッドに入ったことを確認すると自室へ戻るようにしていた。