運命に導かれて
「ジャン。国王への報告を頼む。俺は羽衣のところへ行く。」
知らなかったでは済まされない程の衝撃。
帰る方法があればとっくに帰っていただろうに。それすらわからない羽衣に帰れなどと。
羽衣を思いルカの胸はかきむしられるように痛む。
帰城してから3日も一人にしてしまった。
ジェシカがどこで羽衣の存在を知り情報を得たのかはわからないが
ルカは全ての責任は自分にあると自らを責めた。
「くそっ。」
羽衣の部屋に向かいながらも口から出るのは苛立つ心の内。