運命に導かれて
もうすぐこの部屋は茜色に染まり始めるだろう。
羽衣は相変わらず規則正しい呼吸を繰り返していた。
その傍らで優しく優しくいつまでも頭を撫で続けるルカ。
「羽衣……羽衣っ。1人で泣かせて悪かった。ごめんな。何も気づいてやれなくて………。」
「う…んっ……。」
ルカが寝顔に何度目かの謝罪を口にした時
羽衣がふいに身じろいだ。
「羽衣?起きたのか?」
「………っ。ルカ様っ。」
羽衣は目の前にいるルカに驚きガバッと起き上がる。
身体を覆っていたブランケットが落ち、改めて見れば数日でまた少し痩せてしまったように感じる。
ルカはそんな羽衣の身体をそっと抱き締めた。