【短編】十一屋(トイチヤ)~ナニワ金融道~
目が慣れて、



地下の駐車場だということに気づき、


二人の男と
エレベーターで階を上がり、
最上階へと着き


開いた扉から見えた景色に…




「わぁ!」





単純な朝日喜は、
簡単に不安を忘れ去った。





綺麗で豪華な室内に、

見晴らしの良い硝子張りのフロア。



「心地良い空間でしょう?」


「はい…」



言葉を失う朝日喜は、

男らにソフトに誘導されながら、
会社の中へと入っていった。





「いらっしゃいませ~」



「ようこそっ」



「こんにちわぁ~」




若くて可愛らしい女性に次々に声をかけられて、

朝日喜は、
有頂天にデレデレ顔で
歩いていた。

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