【短編】十一屋(トイチヤ)~ナニワ金融道~
「わかったか?」
「…え………わからないです…」
「お前の目は節穴か。
自分の借金っ…ほんま…
しっかりしぃや」
「すみません…」
「そこに何て書いてある。
元金、利子、それから!」
「えっ?
…あっ、何ですか!?
謝礼金って…」
「そうやろ?聞いてない欄があったやろ。
それが落とし穴や。
甘い話しは無いゆうことや。
ここと一生付き合うんか?」
「そ、そんなぁ…」
「悪知恵はん、」
城頭八に呼ばれて、
中年男は、ビクリとなる。
「寄付金(謝礼金)は、毎月の無期限って書いてますねぇ。
金額は、借り入れ元金の同額、及び、年利は×借り入れ元金、
延滞金は×借り入れ元金」
「ひっ!?」
朝日喜は、目を丸くした。
「ひどいですなぁ~。
これじゃあ、人生蟻地獄でっせ、朝日喜はんっ
どうしますの」
「どないしたらえぇですか、城頭八さぁん…」
「幸いなことに、
朝日喜はんっ
はんこ押す前やないですかいな」
「ふぇっ!?
あっ、ほんまやっ
ほんまですわ~」
朝日喜は涙目で笑い狂った。
「恩にきれや~」
「すんません、すんません」
土下座をしだした朝日喜を横目に、
城頭八は、悪知恵を見据えた。
「ほなっ、失礼するさかい、
ワテの商売邪魔するなや。
次は、無いでっせ」
「今日は…虫の居所が良いのですか?」
「なんや?」
「あ、いいえ…」
「素人は相手にせんのや。
でも、もう調子に乗るなや。
目に余る素人は、
容赦せんぞ?
余計に金取ろうとしよって 素人がっ」
城頭八が立ち去り、
手下もついて去る。
朝日喜は、
危ないところで城頭八に救われ、
一目散にその場を後にした。
――――…
「…え………わからないです…」
「お前の目は節穴か。
自分の借金っ…ほんま…
しっかりしぃや」
「すみません…」
「そこに何て書いてある。
元金、利子、それから!」
「えっ?
…あっ、何ですか!?
謝礼金って…」
「そうやろ?聞いてない欄があったやろ。
それが落とし穴や。
甘い話しは無いゆうことや。
ここと一生付き合うんか?」
「そ、そんなぁ…」
「悪知恵はん、」
城頭八に呼ばれて、
中年男は、ビクリとなる。
「寄付金(謝礼金)は、毎月の無期限って書いてますねぇ。
金額は、借り入れ元金の同額、及び、年利は×借り入れ元金、
延滞金は×借り入れ元金」
「ひっ!?」
朝日喜は、目を丸くした。
「ひどいですなぁ~。
これじゃあ、人生蟻地獄でっせ、朝日喜はんっ
どうしますの」
「どないしたらえぇですか、城頭八さぁん…」
「幸いなことに、
朝日喜はんっ
はんこ押す前やないですかいな」
「ふぇっ!?
あっ、ほんまやっ
ほんまですわ~」
朝日喜は涙目で笑い狂った。
「恩にきれや~」
「すんません、すんません」
土下座をしだした朝日喜を横目に、
城頭八は、悪知恵を見据えた。
「ほなっ、失礼するさかい、
ワテの商売邪魔するなや。
次は、無いでっせ」
「今日は…虫の居所が良いのですか?」
「なんや?」
「あ、いいえ…」
「素人は相手にせんのや。
でも、もう調子に乗るなや。
目に余る素人は、
容赦せんぞ?
余計に金取ろうとしよって 素人がっ」
城頭八が立ち去り、
手下もついて去る。
朝日喜は、
危ないところで城頭八に救われ、
一目散にその場を後にした。
――――…