【短編】十一屋(トイチヤ)~ナニワ金融道~
「ほなっよろしゅう」
女将は部屋を出ていった。
ロクソク灯りの薄暗い閉めきった部屋に
舞女支と二人きり。
「お頼申しますぅ」
「はっはいっ」
舞女支は、
着物を脱ぎ
髪をほどき、
長襦袢姿になって
朝日喜の傍ら
布団の上にうつ伏せに横たわった。
うなじが、
薄灯りにそそる。
朝日喜は、
そそられる心を平常に努めながら、
「は、始めます―…」
舞女支の肩に両手を置いた。
ゆっくりと
肩から腰へと指圧してゆく…
だんだんと
体をリラックスさせてうつ伏せに横たわる舞女支。
静かな薄灯りの中
暫く指圧をしている
と、
あっ… あぁ…
ぅっふぇ!?
またまた
どこの部屋からか、
なやましげな女性の声が聞こえてきた。
ドキドキドキドキしてくる朝日喜。
舞女支は、
変わらずじっとうつ伏せになっている。
はっ…ぁ…
…あっ、あっ、
…ん―…
声は、ずっと聞こえてくる。
朝日喜の脈は、
いたらぬ場所までドクドク波打ち…
しかし、直ぐ様、
― 変な気起こすなやっ ―
はっ!
女将の言葉と
城頭八の
あのコワモテ面が浮かんだ。
― いかん、いかん…
命は惜しいぞ… ―
アエギ声の聞こえる中で、
目の前の可愛らしく色気な舞女支を襲ってしまいそうになるのを抑えに抑えて、
朝日喜は、
黙々と
指圧をしていった
――――…
女将は部屋を出ていった。
ロクソク灯りの薄暗い閉めきった部屋に
舞女支と二人きり。
「お頼申しますぅ」
「はっはいっ」
舞女支は、
着物を脱ぎ
髪をほどき、
長襦袢姿になって
朝日喜の傍ら
布団の上にうつ伏せに横たわった。
うなじが、
薄灯りにそそる。
朝日喜は、
そそられる心を平常に努めながら、
「は、始めます―…」
舞女支の肩に両手を置いた。
ゆっくりと
肩から腰へと指圧してゆく…
だんだんと
体をリラックスさせてうつ伏せに横たわる舞女支。
静かな薄灯りの中
暫く指圧をしている
と、
あっ… あぁ…
ぅっふぇ!?
またまた
どこの部屋からか、
なやましげな女性の声が聞こえてきた。
ドキドキドキドキしてくる朝日喜。
舞女支は、
変わらずじっとうつ伏せになっている。
はっ…ぁ…
…あっ、あっ、
…ん―…
声は、ずっと聞こえてくる。
朝日喜の脈は、
いたらぬ場所までドクドク波打ち…
しかし、直ぐ様、
― 変な気起こすなやっ ―
はっ!
女将の言葉と
城頭八の
あのコワモテ面が浮かんだ。
― いかん、いかん…
命は惜しいぞ… ―
アエギ声の聞こえる中で、
目の前の可愛らしく色気な舞女支を襲ってしまいそうになるのを抑えに抑えて、
朝日喜は、
黙々と
指圧をしていった
――――…