【短編】十一屋(トイチヤ)~ナニワ金融道~
「…ほんなこつ…でっか…」


朝日喜は、脱力する…


「仕事があるだけマシやろ?

感謝されてもえぇがなぁ~、な?そやろっ?」


「まぁ~」


「まぁ~ってなんやぁ!!
なめとんのかっワレー!」


「ひぇぇぇー!すんませぇん!
有難きコトでぇー!」


「おぅそうや。

ほなっまた、仕事頑張りや。
次の仕事はまだわからんさかい、連絡待っとれや」

「はいー…失礼しますぅー…」


朝日喜は立ち上がり、
トボトボと出口へと歩いていった。


「おい!」

「はいっ?」

朝日喜はビクつき振り向く。


「逃げるでないぞ?」

「もっもちろんですっ」

「逃げても必ず見つけるからなっ、無駄やぞ。

まっ、

逃げてもえぇが、

そん時は、半殺しや。
簡単には殺さんからな」


「ひぇっ…

に、逃げも隠れもせんですよっ」


「ほなっ、
気ぃつけや~」


「し、失礼しますー…」


朝日喜は、
城頭八の事務所を後にした。

< 8 / 27 >

この作品をシェア

pagetop