線香花火
夏休み明け。
アイツにあわせる顔なんてなかった。
でも、ばったり、階段にいたのを見つけちゃったんだ。
見つけたくなかったな。
はじめは、目をそらしておこうと思ってたけど
やっぱり、一度好きになった人を無視するなんてこと
出来るわけないんだよ。
一瞬、一瞬だけ・・・
あたしが、アイツのほうを向くと、
驚くことに、あっちも、あたしを見ていた。
すると、アイツはいつもと同じく
とびきりの笑顔で、手を振ったんだ。