シャイニング・ライト
「う・・いたたたた・・・」

 女の子が頭をさすりながら言った。そう言った女の子をよく見ると可愛い子だった。

いや・・・この子は・・・。

 「ちょとあなた、馬鹿なことしないでよ!落ちたら怪我じゃ済まないのよ!」

 「-桜井」

 思わず、晃は口走っていた。桜井由利。

 なぜ、君はここにいるんだ?と、晃は声にならない声で言った。死のうとした羞恥心

と、好きな女性が目の前にいる気恥ずかしさで、声にならなかったのだ。―晃はふと、

彼女と始めてあったときのことを思い出した。好きになったきっかけなんて、なんて事

もない些細なことだった。

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