シャイニング・ライト
「-い、伊藤・・・君?」

 桜井が、改めて晃の顔を見回すと、驚き混じりにつぶやいた。

晃は、アスファルトの冷たい床に腰を降ろしたまま、桜井から視線をそらし、呆然と行

った様子で塞ぎ込んでいた。

 「ど、どうして・・・何で伊藤君が・・・何があったの?」

 晃は、ギュと唇を噛み締め顔をしかめた。「-知ってるだろう・・・もう嫌になった

んだよ」

 「知ってるって、何を?分からないよ」

 「-僕はいじめられてるんだ・・・・・・」

 「いじめられてるって・・・伊藤君が?」

 「・・・・・・」

 晃は黙ったまま、よほど気にかけてないと分からない位、小さく頷いた。

 「そう・・・なんだ・・・。私知らなかった。でも・・死ぬ事ないじゃない、先生達

に相談した?何とかしてくれるかもしれないわ」

 「・・・・担任の渡辺先生はとっくに知ってるよ。実際僕が暴力振るわれてる時も平

気な顔して通り過ぎて行ったよ。殴られているところを見ても、何も言わなかった。ど

うせ面倒なことに巻き込まれたくないんだよ。わずわらしい事には首を突っ込みたくないんだろうな。信じられやしないよ。

もうだめなんだ・・・ほっといてくれ」晃は泣きそうな声で言う。

 「・・・もしかしたら気付いてないかもしれないじゃない。ただ友達同士がじゃれあ

ってたって思っているかも知れないし。やっぱ

 り相談すべきじゃないかな」

 「信用できない奴らに話すことなんて何一つないよ」

 
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