シャイニング・ライト
第2章 死への逃走
空を明るく照らす光が、カーテンを突き抜けて晃の部屋に朝の到来を告げる。晃は、
目を覚ましてゆっくりと身体を起こした。もうこの瞬間から、今日という日を呪い恐怖
にも似た思いが全身に込み上げる。
-今日も、誰かに暴力を振るわれると思うと気分が滅入るのだ。
朝の面倒くさい身支度を済ませると、制服のブレザーを羽織り、家を出た。もちろん
学校をサボる訳にはいかない。ようやく両親の
夢の一戸建てが建ち、父も母もその小さな幸せをかみ締めているはずなのだ。自分の
ことで家族に心配や迷惑をかけたくない。そも
そも自分のことで迷惑をかけるなど、子供にとって罪悪でしかないのだ。
* * * * * *
今日も長すぎる一日を過ごした。いや、生き抜いた、と言ってもいい。そう思う位、
この日々は耐え難いものなのだ。無表情の晃の足の向かう先は、屋上だった・・・。
-生きていく事に疲れた。耐え忍ぶ日々はもう沢山だ。何一つ存在意義もない人間に
は、この現実は厳しすぎる。でも一人じゃ行かせない。中里達も道連れだ。だからと言
って、殺すわけじゃない、死んでやるのは自分だが、一生罪を、僕を背負わしてやる。