シャイニング・ライト
 「分かるよ。分かりすぎる位に分かるよ。だって・・・私も昨日ここから飛び降りて

死ぬつもりだったんだもの」

 「・・・・・!?な・・何だって・・!?桜井が?一体どうして?」晃は驚きのあま

り、信じられないという驚愕の表情で聞いた。

 「捨てられたのよ、私・・・。伊藤君は私が三年の三上先輩と付き合ってた事知って

た?」

 「・・・その先輩は知らないけど、付き合ってたって言う噂なら・・・知ってたよ」

そんな男の話など聞きたくなかった。

 「その相手が三上先輩なの・・・私先輩の事が本当に好きだった・・こんな事言うの

は恥ずかしいけど、本気で愛してた。生まれて初めて人を真剣に愛してるって思えるく

らいに好きだった。-先輩はかっこよかったし、スポーツも勉強も出来るし、付き合う

前の私は夢のように憧れてた。付き合おうって先輩から言われたときは涙が出るくらい

嬉しかった」

 桜井は続けた。「でも・・・先輩は外見は立派で華やかだったけど、中身はひどい人

だった・・寝た女の数を自慢するような人だったの。私も半ば無理やり関係を迫られて

から・・・それからの先輩はひどく冷たくなっていって・・・昨日偶然聞いちゃった。

あいつももう飽きたな、また新しいゲーム始めるかって」

 「ゲーム?」晃は何か分からず聞いた。

 「誰でもいいから女子を口説いてモノに出来るかって賭けをしてたのよ」

 
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