シャイニング・ライト
「・・・・・・」晃は言葉をなくした。そんな馬鹿くさいゲームのために、桜井を奪わ

れたと思うと腹立たしくてたまらなかった。

 「それに彼女は私だけじゃなくて、他にも何人もいたの。それを聞いて先輩を問い詰

めたら「ネチネチしたうざい女は嫌なんだよ、

 俺がそんなに嫌なら別れてやるよ、いつでもな。金魚のフンみたいに離れねぇ女は邪

魔なんだよ。こっちは遊びで一時の快楽の為にお前と恋愛ごっこしてやったんだぜ、も

ういいだろ?俺も君には飽きたしそろそろ別れ時だと思うんだよね」って・・。」

 「それで屋上で飛び降りてやるって思ったの?」

 「うん・・・もう衝動的に死んでやるって思って屋上に向かってた。その方が楽だっ

て思ったのよ」

 「・・・・・・」晃には返す言葉もなかった。

 「伊藤君が帰ってから、何か私冷静になっちゃって。あれから私一日考えてみたんだ

けど、私が死んだところで家族が悲しむし、何よりあんな奴のせいで自分をなくすなん

て駄目だって思ったの。先輩を許せることなんて出来ないし、今だって恨んでるけ

ど・・死ぬのはやめようって思ったんだ」

 桜井は涙ぐみ言った。

 「桜井・・・」

 「今日はね、伊藤君を止めに来たの。死ぬつもりでここに来たんでしょ?そうじゃな

いなら、わざわざここには来ないはずだよね。ね、伊藤君。もう一度考えてみて?本当

にこれでいいの?死ぬなんて駄目だよ。きっと解決できるはずだよ、もう一度考え直し

て」

 
< 19 / 39 >

この作品をシェア

pagetop