シャイニング・ライト
「・・・・・・・」晃は言葉をなくした。それも当然で、そこには神秘的に輝く月を

背景にして、宙に浮いている人の姿があった。

 さらさらの銀髪に、整った顔には不釣合いな鋭い目。白人のような白い肌。そして見

たこともないスーツのような服を着ている。

 「やっとお目覚めだな」

 その男が言った。晃はポカンとして、その小人を現実だと認識できなかった。

 「はとが豆鉄砲食らった様な面はよせ。仕方ないと言えばそこまでだが、早く本題に

入りたいんでな」

 「・・・・・・!?・・何なんだ・・・これは・・・?」

 晃は、目の前で起きている現実が未だに理解できなかった。眩暈が起きそうなほどだ

った。宙に浮かび見たこともない人種の男。

 死んだはずの自分が生きていると言うこと。もう何がなんだかまったく分からない。

パニック状態で頭がこんがらがった。

 「俺はこれ呼ばわりかい。俺にはジャスティスという名があるんだ、そう呼んでく

れ」

 宙に浮かぶ男はそう言った。

 「質問したいことが一杯だ。そ・・空飛ぶ人がいるなんて・・・。き、君は-」

 -晃はごくりとつばを飲み込んで、決心した様に口を開いた。

 「ジャスティスだ」男-いや、ジャスティスは晃の言葉を遮り言った。
 
 「・・・分かったよ、ジャスティス。君は一体誰なんだい?」

 「O.k。質問に答えよう。名はさっき言った通り。名前より俺が何者なのか知りたいん

だろう?俺は天使だよ。あの羽の生えた裸の子供なんかじゃないぜ。それは人間が勝手

に想像されたものだからな。俺は天からの使いで、天じゃただの人間さ。会社員みたい

なもんでね、仕事で来てるって訳さ。平和と愛の為に舞い降りて来た訳じゃねえから、

天使の意味を勘違いしないでくれ」

 ジャスティスはそう言ってフッと笑った。

 
< 24 / 39 >

この作品をシェア

pagetop