シャイニング・ライト
 晃は驚きを隠せない、と言った風な表情を浮かべた。

 「確かな情報だ。最初、天界の者だけで奴らを追い詰めていたのだが、最後の最後で逃げられてしまった。その逃げ込んだ先と言うの

 が、晃の通う高校だったと言う訳だ。奴らにしてみればかなり都合が良かった。人間に成り済ませば見つかることもない。悪魔が人間

 を支配している間、人間の意識は意識の片隅に閉じ込められ、悪魔が身体を出て行く以外意識は取り戻せないんだ。取り付かれたら最

 後、自分は無意識状態-寝ているような状態で自分が何をしているのかさえ分からないと言う事さ。その人間の記憶は筒抜けだ。同じ

 脳を使って意識だけをかっさらっているんだからな」

 ジャスティスは、真剣な顔で説明した。彼の表情にはただならない緊張感のようなものが滲み出ている気がした。

 「厄介なのは姿を見つけられにくいからだけじゃない・・・奴等にとってもうひとつの利点・・・生餌がうようよと泳いでる点だ。

 悪魔は人を喰う。いつでも目の前は餌が踊ってる。空腹を感じればもうファーストフードよろしく気軽に簡単に食事が出来る。人間

 にとっちゃただの殺戮・・・猟奇的な惨劇だがな・・・。」

 「・・・・・・!?ひ、人を喰うんですか?」

 「ああ。悪魔はもう人間に成り済ましてる。人間の生活に溶け込んだ奴らはいとも簡単に友人や恋人と言う関係を利用して餌を得、空

 腹を満たすんだろうな。腹の立つ話だ、いままでその人間が築いてきたものを、自分の欲求を満たす為にそれをぶち壊していくんだ。

 奴ら、悪魔の食欲は不幸中の幸いとも言えないが、月に一体の人間が犠牲になる」

 「月に一人・・・思ったより少ない感じはするけどまったく笑えない数字ですね・・・もともと数の問題じゃないでしょうけど」

 「もちろんその通りだ。月に一人誰かが殺されるんだからな。それに悪魔は一匹じゃない、五体もいる。こいつらが順調に捕食活動を

 始めたら月五人だ。数ヵ月後笑えない数になっていくぞ・・・」

 「確かに・・・そう思いますけど・・・。でも悪魔が本当に学校に残っているでしょうか?普通ならかなり疑いのある学校から離れて

 全国に散っていった方が見つかる可能性もなくなっていくと思うんですが?」

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