シャイニング・ライト
第4章 男と言うもの
眩しすぎる太陽が朝の到来を告げる。今日も暑い日になりそうだ。起こした体が少しだるく重い。昨晩、話が長引いて余り眠ってい

 ないお陰で疲れが残っているのだろう。だが、眼は異様なほどバッチリ覚めている。昨日の出来事が未だ胸を躍らしているからだ。

 朝食を済ませ、制服の袖を通す。昨日、ジャスティスから支給されたシャイニング・ソードは、黒のボールに戻したものを、また別に

 支給された腕時計のようなリストの中央にはめ込んである。必要な時には、リストにはめ込んだボールの部分を数秒押し続けるだけで

 、ボールは外れるようになっている。リストの凹から外れたボールはすぐに筒状になりシャイン・ソードとなるわけである。靴(スピ

 -タ)は、外履き用と上履き用の二つが支給された。

 「よう」

 ジャスティスが目の前に現れ、声をかけてきた。

 「今日から任務だぜ、気を引き締めていけよ」

 「ああ。分かった」

 と言って、晃は支給されたリストを手首にはめた。見た目はまるっきり腕時計だ。液晶画面まで付いていて、時刻も表示されている。

 これなら誰にも不審に思うことはないだろう。戦闘になったときには液晶の下に付いている凹にはめ込まれているボールを数秒押す。

これでボールが外れシャイニング・ソードに変化するのである。晃はその動作を確かめた。悪魔と対峙していない場合はものの30秒

 で元に戻ってしまうらしい。これは安全機能のようなもので、悪魔以外のもの以外に極力使われないようにするためだと、ジャステ

 ィスは言った。

 晃はシャイニング・ソードを具現化させて、部屋にあるスタンドミラーを覗き込んだ。そこには自分じゃない自分が立っていた。-そう

今回依頼を受けるにあたって、報酬で貰える容姿だった。シャイニング・ソードを具現化させている時だけ、晃はまったく違う美形の男に

 変身する。真摯的で神秘的、周囲の光が集約された様な人間だった。キリッと鋭い目が怖い感じもするが、その目で周囲の人間を惹き付

 けるような魅力を発揮している。

 「とても自分とは思えない位の容姿ですね。感動してますよ」

 
< 38 / 39 >

この作品をシェア

pagetop