シャイニング・ライト
「そんじゃ、掃除すっか」と、クラスメイトが言い掃除が始まった。金沢達はただ立

ち話を続け、掃除を手伝おうともしなかった。クラスメイトの男達も何の文句も言えず

に、黙々と掃除を続ける。

 「今日は床も拭いておけよ、水まいてブラシッングしたら床拭きしてくれ」

 トイレ清掃担当の教師が入ってくるなり、それだけ言ってトイレを出てった。明らか

に掃除当番でもなく、ただサボっているだけの金沢達を見ても何も注意もしない。面倒

くさい事には決して首を突っ込まない、この学校では教師さえも信用の対象にはならな

いのだ。

 「水まくぜ、金沢君達脇よけて」

 そう言ったクラスメイトが、ホースから出した水をトイレの隅々にまで撒いた。十分

濡らした後で、床をブラシで洗った。その後は、雑巾で汚い床を拭くだけだ。これがト

イレ掃除の嫌なところだ。

 「床拭きは、ジャンケンで負けた奴がやろう」

 「おう、いいよ」と、皆集まり否応なくジャンケンで勝負することになった。-運悪

く晃は負けてしまい、床拭きは晃がすることになった。仕方なく晃は、雑巾を持って拭

き始めた。渋々始めた掃除だったが隅々までしっかり磨いた。便器の周りまでしっかり

とやった。

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