今度こそベッドで
そのことに気づいたのは中学三年生ぐらいのとき。
ふとしたときの私の醜い嫉妬からだった。
“それ”まで矢野の近くにいた私。
“それ”まで一番だった私。
“矢野の好きな人”を聞くまで
一番近くにいたのに。
その空虚感、独占欲、嫉妬。
自分の想いに気づいた。
気づいたときには遅かったけれど。
距離は私が一番だったけど
ココロは一番遠く感じた。
それから私は何事もなく過ごした。
虚無感に気づかないフリをして。
そうすれば、すぐに終わると思った。
だから高校も別にして、
同窓会も全部欠席して、
関わりを持たないようにしていたのに。
(……ばか…………)