今度こそベッドで




「ね、今からサークル見に行くの?」
「うん。じゃあ美月行こ、」
「俺もさ、ついてっていい?」


何を言い出したかと思えば。
ついてっていいかって?

ダメに決まってるじゃん。


「なんで?」
「だって知り合い誰もいねぇもん」
「そんなの知らないし」

きっとOKをもらえると思ってたのか、矢野は顔をしかめた。


「松田さん、ダメかな?」
「ちょっと美月に」
「私はいいよ?」
「美月っ」

美月は優しい。
だから話させたくなかったのに。


「直の友達でしょ?
じゃあ大丈夫だよー」

「…………」
「じゃあ行こっか」

私の了承も得ずに矢野は勝手に話を進め始めた。


最悪。
最低。
キモチワルイ。

なんで、





私を見てくれないの?



< 6 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop