真実を嘘だと言い聞かせた僕ら。
『君のお父さんが、お亡くなりになった』
私は、何もいえないまま電話を切ってしまった。
そして、再びソファにうつぶせにダイブした。
「お嬢様、ただいま帰りました」
その後すぐ晴馬は帰ってきた。でも私は答える元気なんてなかった。
「はる…ま」
「お嬢様…?どうかしましたか?」
「お、と…さん…お父さんが…」
堪えきれない涙が溢れてきて、ソファをじわじわと濡らした。
晴馬が今どんな表情をしているのかわからないけど、黙っているから事態を察したのだろう。