真実を嘘だと言い聞かせた僕ら。
その瞬間
愕然とした。
有り得ない光景が、その写真に映っていた。
『長女:悠奈誕生』
写真には、笑顔のお父さんとお母さんと晴馬と…産まれたてであろう私が、映っていた。
「どう…いうこと…なの」
うまく頭が回らない。
つまり…?つまり晴馬は…晴馬は…
「何をなさっているのですか?お嬢様」
突然耳元で聞こえた声に、ゆっくりと振り返れば、笑顔なのに、目が全く笑っていない晴馬がいた。
その表情はとても恐ろしくて…。
中腰でいた私はぺたんと床に尻餅をついた。
「嘘…でしょ」