真実を嘘だと言い聞かせた僕ら。
「…お前のせいだ…」
晴馬がボソッと呟いた言葉は、はっきりと私の耳に届いた。私の…せい。
刹那、静かになった部屋にパンっ、という乾いた音が響いた。
その音がなんなのか、じわじわと頬にくる痛みでわかった。晴馬に、平手打ちをされたんだ。
なんで?どうして晴馬は私のせいだと言うの?どうして私の頬を叩くの?
どうしてそんなに、恐ろしい表情なの?
「…腕…離して」
「煩い」
「ほっぺ…痛い」
「黙れ」
「…ねぇ…お兄さんなんでしょ…?」
「っ…黙れッ!!」
パァン、
さっきと同じ頬を叩かれる。痛い。
痛みが二重になって、涙が零れる。痛い。
「全部お前のせいだ!!来い!」
ぐいっと腕を引っ張られて、ベッドに投げ捨てられる。