真実を嘘だと言い聞かせた僕ら。
恐怖がむくむくと湧き上がってきて、気が付いたら枕を晴馬に向かって投げていた。
晴馬は顔を背け、こめかみにそれをくらった。
「あ…ごめ…なさ、」
晴馬は弱々しく床に落ちた枕を拾い上げ、何も言わずベッドの上においた。
そして
「今日はこの部屋でおとなしくしてろ。飯は俺が持ってきてやる」
と言って、私に部屋着を渡し、部屋を出て行った。
「…なにそれ…それじゃあ監禁だよ…」
どうしてなの晴馬?
こんなことするなら全てを話してからにして…
そんなこと
言えなかった。そんな自分が、情けなかった。
声を殺して涙を流すことしかできない自分を、酷く嫌った。