真実を嘘だと言い聞かせた僕ら。
「ごちそうさまでした。今日もすっごいおいしかったよ晴馬!」
「そう言って頂けて光栄です」
「悠奈、晴馬。私は明日ちょっとばかり大変な仕事を受けている。明日中に帰ってこれるかわからないが、家のことは頼んだぞ」
お父さんに大変な仕事?てっきり毎日大変な仕事だと思ってたけど…。きっと本当に考えられないくらいすごい仕事なんだろうな…。
「かしこまりました旦那様。私がしっかり見張りさせていただきます」
ぺこり。
晴馬が頭を下げる。
そして顔を上げて、もちろん悠奈お嬢様も…と続け、
「この身を呈してお守り致します」
その瞳に嘘は無かった。じーん…と晴馬の顔を見つめれば、目が合ってにこりと微笑んでくれた。