真実を嘘だと言い聞かせた僕ら。
7、優しさ
ふと目を覚ますと、自室だった。
晴馬が運んでくれたんだ。
多分…死人がでると処理が面倒だから…って理由なんだろうな…
身体を起こすと、布団にぽとりと、たたまれたタオルが落ちる。
おでこに置いてあったのか。
…まさか…と思い床を見る。
そこでは晴馬が何もかけずに眠っていた。
「やっぱり…」
そして、床に眠る晴馬を見て、私は確信する。
晴馬は今も優しいんだ。
涙が止まらなかった。