真実を嘘だと言い聞かせた僕ら。



「…やけに満足気な顔してんじゃん」

晴馬が鏡に映っていた。すぐ後ろに立っている。

…恐くて振り向けない。目が全く笑ってなくて、ぽたぽたと垂れる雫がもっと冷たく感じる。


「はる、ま…」

「何怯えてんだよ」

「ごめ…なさ…」




何やってるんだ。晴馬は優しいんじゃないか。





恩返しする、って決めたじゃんか。





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