真実を嘘だと言い聞かせた僕ら。



滲み出そうになる涙をこらえて口をぎゅっと結び、晴馬のほうを振り返る。



「晴馬、自室で待ってて」


「…は?」


ギロリと睨まれて、ちょっと怯む。身体が震え始める。

「っ…じ、自室で、待ってて…!!」


ようやく絞り出し、濡れた顔も拭かずに洗面所を飛び出した。



目指す場所なんか無かったけど、なにかあるかもしれないと考えながら玄関のドアを開けた。



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