真実を嘘だと言い聞かせた僕ら。



「お嬢様、悠奈お嬢様。起きてください遅刻してしまいますよ」

「う…、おはよ晴馬…お父さんは…」

「もう出て行かれましたよ。さぁ朝ご飯が冷める前に召し上がってください」

はぁいと弱々しい返事をした後、暫くして晴馬は部屋をでた。
それに続いて私も部屋を出てのろのろ階段を降りる。リビングでは目玉焼きとご飯とサラダが私を迎えてくれた。

「いただきまーす」







朝食を終え、歯を磨いて制服に着替えて準備は万端。晴馬にいってきますと言おうと振り返る。

そこに映る晴馬は、なんだか険しい顔をしていた。「晴馬…?」

声をかければ我に返ったのか、

「も、申し訳ありませんお嬢様!気をつけていってらっしゃいませ」

と頭を下げてきた。
珍しいその行動を不思議に思いながらも、気にはしなかった。

「いってきます」

私はドアを開けた。


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