愛の泉
まず鹿がやってきて、赤い木の実を角で少女のほうにそっと押しやった。

次に栗鼠がやってきて、どんぐりの実を少女の上に落としていった。

それから兎がやってきて、芳しい香草を束ねてちょこんと置いていった。

そして最後にはいかめしい豹までやってきた。

豹は少女に何と言えばいいのか暫く考えた後、できるだけ優しい声で言った。

「好きなだけここにいるといい。泉の水はいくらでも湧いてくるから好きなだけ飲むがいいさ」
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop