背負った罪は愛より深く

杜山ルト




小さいころは、いつもシトが側に居てくれた。



なにかがあればシトが真っ先に駆けつけてくれたし、私を全力で守ってくれた。



『ルトのことは俺が絶対守るから。ルトを守れるために、俺が強くなるから』



年齢なんて変わらないのに。
ただ少し早く生まれたって理由だけでお兄ちゃんになったシトは、当たり前のように私を守ってくれた。



今の私が居るのは、全部シトのお陰なんだ。



シトが居なきゃ私だっていない。



たった一人の兄妹で、たった一人の、家族。



『るうちゃんとしいちゃんはママとパパの宝物』



最近よく、ママが口癖のように言っていたその言葉を思い出す。



< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop