背負った罪は愛より深く
杜山ルト
小さいころは、いつもシトが側に居てくれた。
なにかがあればシトが真っ先に駆けつけてくれたし、私を全力で守ってくれた。
『ルトのことは俺が絶対守るから。ルトを守れるために、俺が強くなるから』
年齢なんて変わらないのに。
ただ少し早く生まれたって理由だけでお兄ちゃんになったシトは、当たり前のように私を守ってくれた。
今の私が居るのは、全部シトのお陰なんだ。
シトが居なきゃ私だっていない。
たった一人の兄妹で、たった一人の、家族。
『るうちゃんとしいちゃんはママとパパの宝物』
最近よく、ママが口癖のように言っていたその言葉を思い出す。