旦那様はドクター

私は下を向いて、小さい声で、言った。

「私…彼方じゃないと、だめなの…」

彼方は、私に近づいてくると、

ガバッと私に抱きついた。

へ?

「俺は、奏が他の医者に診せるなんて、嫌なんだ。奏が俺に助けを求めるのは、全然迷惑じゃない、むしろ、嬉しいんだ。だから…俺は、お前がいなきゃだめなんだ。俺のそばにいてくれ」


私は、涙を流しながら、頷いた。



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