いけめんハーレム

「あ・・・」


「あ、恋ちゃん」


夏輝がふんわり笑いながら隣のクラスから出てきた。


「一人でなーにしてんのー?」


「んー考え事なう」


「そっかあーでも人生テキトーじゃないと疲れちゃうよー?ってやべ、俺様せんせーに呼ばれてるんだったーじゃぁまたねぃ!!」


ほんとに夏輝はテキトー少年だ。
あたしもそんな風にのらりくらりと生きれたらいいのにな。


ジュースを買うために長い廊下をてくてく歩く。

すれ違う度に言われる悪口。

礼央くんの・・・とか
例のエンジェルちゃん?とか。

極めつけは、
「ただのカワイソウな子じゃん」
確かにブラックの幹部様達に比べたら
月とミジンコ・・・いやゾウリムシかもしれないけど


だんだん顔が沈んでいくのがわかる。

やっぱり、
あたしは、ばかだ


< 34 / 66 >

この作品をシェア

pagetop