いけめんハーレム

薄暗いモノクロの部屋。
恐ろしくその色が似合う男を
あたしは見上げる。

「あたし、――――・・・ごめん・・・」


あたしには荷が重い。
たえられない、強くない。

きっと、こんな中途半端でいられる世界じゃない。
恨まれるのも日常茶飯事で。悪口を言われても軽くスルーできて。

そんな寛大なヒトじゃない。

ばかは馬鹿なりに考えた結果なの。


おねがい、

楽にさせて


「わかった・・・もう2度とあえねぇんじゃねぇんだから、さよならでは・・・ねぇけど・・・しばらくは送迎だけする。俺達に関わった限り、狙うやつがいるから・・・な」


「ありがとう・・・もういくね?」


さよならじゃない。
ばいばい・・・なだけだよ。

カーテンがしまったあの寂しい部屋を出て、
自分に言い聞かせながら0棟を後にした。



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