残骸
 不思議に自分でも驚くほどに動揺していた。

「なんだか俺の家……燃えてなくね」

 いやいや言葉に出して自分で力強く否定していた。
 
 何が背中を押したのかもわからず走り出していた。

 起きている事を否定したいが、どこかで冷静に認めている自分がいる。

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