維新なんてクソ食らえ後始末が大変でしょ、手代木の巻き
後ろから、五、六人の軍服姿の兵士が追いかけてきた。


「撃て」


の合図が後ろから聞こえた。


玉が二人をかすめていった。


「うっ」


影山に当たったようだった。


影山が肩を押さえた。


押さえた手の間から血がにじんでいた。

「影山。

大丈夫か」


影山は痛みをこらえていた。


「手代木さん。

先に逃げてくれ」


「馬鹿を言うな」


兵士が五人ほど追いついてきた。そして、彼らを取り囲んだ。


じりじりと彼らの囲みを小さくした。


手代木の斬撃がうなった。


兵士達はその場にバタバタと倒れた。


手代木は影山に肩を貸した。


「これで、しばらくは持つだろう。

どこか隠れるところはないのか」

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