維新なんてクソ食らえ後始末が大変でしょ、手代木の巻き
手代木が黙っていると、土岐は言った。


「手代木さんを奥の座敷にお連れして」

「はい」


手代木は召使いに連れられて部屋を出た。


扉が閉まった。


手代木が数歩歩き始めたとき、扉の向こう側から影山の悲鳴が聞こえた。


手代木が扉に手をかけようとすると、召使いが後ろから手代木を掴んだ。


「手代木様、お止め下さい。

開けたらあなたも処分されますよ。

あの部屋からあなたを出したのは、主人の恩情なのです

ここで命を落としてもよろしいのですか?」


手代木は我に帰った。


服に返り血を浴びた首藤が出てきた。
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