Brother Short Story's
「キライ、って言われたら、どうしようかと思ったよ」
はぁ、と大きなため息が頭の上から聞こえてくる。
静流は上目遣いで、黒めがちな目をうるうるさせて、
「リキは私の彼氏なの?」
と首を傾げて。
そんな静流を見たリキは、
「当たり前でしょ」
と、軽く触れるだけのキスをした。
静流が案内してくれた、穴場だと言う土手の石段にリキは後ろから静流を抱き締めるように座る。
静流はリキに軽く寄りかかり、リキは静流の頭にそっと頬を寄せ、大輪の花火は二人の上に消えていった――――。
~兄と彼女、馴れ初め編、了~