Brother Short Story's
兄と彼女
馴れ初め
リキが初めて静流を見かけたのは、中学3年の夏休みだった。
その日は、リキがいつも通っている塾は休みで、時間を持て余した為に、何となく近所の図書館に行ってみた。
リキは簡単な勉強道具を机に広げ、ノートにペンを走らせる。
苦手な英語に苦戦しつつ、一問ずつ問題集を解いていく。
1時間程勉強したところで、ポケットに入れていた携帯が震えて。
んー、と小さく伸びをして、携帯を開く。
そこには、いつもつるんでいるメンバーの女の子の名前が表示されていた。
携帯を手に、図書館から一歩出て電話に出る。
今から遊ぼう、と言われて時間を確認すると、午後3時を回った所。
少し考えて、「今日はやめとくわ」と返事をした。