Brother Short Story's
それから、春になり、満開の桜の中で入学式。
リキは、高校では出来るだけ目立たないようにしようと思っていた。
人より目立つ容姿を自覚していたリキは、必要以上に騒がれるのを嫌って、前髪を長めにし、ダテ眼鏡をかけ、完全武装して。
中学からの友達も、レベルの高いこの高校にはほとんど来ていなかった。
入学式が始まり、ぼーっと壇上を見ていると、新入生代表挨拶が始まり、その人を見て目を見開く。
そこには、図書館で見かけた女の子が立っていたのだから。
新入生代表、と言うことは、首席だと言うこと。
リキは本気で驚いて、手で口を押さえ、小さく「嘘だろ」と呟いた。
その女の子は、もちろんリキと同じ一組で、リキは女の子の名前が"椎葉 静流"と言うことが分かった。