Brother Short Story's
月曜日、いつもより少し早めに学校に行くと、偶然下駄箱で静流に出くわした。
「あ、高瀬くんおはよ。もう具合は良くなった?」
にこっとリキに向かって微笑む静流は、凄く可愛くて。
リキは急に忙しく鼓動を始めた心臓を何とか押さえ、
「椎葉、こないだはありがとう。助かった」
リキがそう静流にそう言うと、静流は首を横に振り「役にたててよかった」、とふふっと笑う。
「あ、これ、お礼、って程じゃないけど…」
リキは休みの日に買っていたプレゼントを静流に差し出す。
静流は顔を真っ赤にして、「いいよいいよ、あれ位でお礼なんてもらえない」と、受け取ろうとしない。
リキは「本当に助かった、これは、椎葉をイメージして買ったから、椎葉にしかやれない」そう言って、無理やり静流の手にプレゼントを握らせた。
静流は、少し戸惑ったような表情をしたものの、
「ありがとう」
そう言って、大事そうにリキが上げたプレゼントをカバンにしまった。