My dear lady !
よく見ると、私と同じ制服です。



男の子は、眼鏡越しに私を暗い目で見下ろしました。



なにやら不穏な空気です。



「あんた、ストーカー?」



男の子の口から飛び出した第一声に私はギョッとしました。




「ストーカーってまさか、特定の個人に異常なまでの関心を持ち、その個人の意志に反して跡を追い続ける人間のことですか?」



私の説明調な切り返しを聞くと、男の子が嫌そうに頷きました。



「確かに私は匂いをストーキングしましたけど、あなたをストーキングした覚えはありません。だって、私はあなたが誰なのかすら知らないのですから」



「匂い?」



男の子は訝しげに聞き返してきました。
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