大嫌いだから、ね? ②(短編)
「もしも~し、陽菜?」
気がつくと、にやにやと笑いながら理佳が私の前で手を振っていた。
「えっ?」
「なに一人の世界に入ってるの?」
気がつくと、理佳の目の前のお皿はからっぽ。
私のラーメンは、麺が延びて、汁がほとんどなくなっていた。
私は、箸をおいた。
「ごちそうさま。・・・ううん、べつに一人の世界なんて」
「そう。でも、陽菜はどう思ってるの?」
「どうって? なにが?」
「海老原光のこと。
彼、ちょっときつめの顔立ちだけど、整ってるし、かっこいいよね。
ほぼ女子だらけの、うちの学校。今年からだから、一年以外は女子ばっかりだよ。
・・・彼、もてると思うよ。今のうちに、ちゃんと手を打っとかないと、ライバルがどんどんどんどん、わいてでてくるよ。
ね、陽菜? どうする?」
「・・・」
私の中の、光くんは常にいじめっこだった。
でも、再会した光くんはとても優しくて、私は戸惑うばかりで、その変化についていけない。
だから、だから、好きだとか、付き合ってるとかいわれても・・・ますます戸惑うばかり・・・。
どうしていいか、わからないよ。