大嫌いだから、ね? ②(短編)
 
 だんだんと、オレンジ色の夕日が沈んでいく。



 学校帰り、私は、公園の中に入った。

 桜の花は散って、緑色の葉を広げ、地面はクローバーの花が咲き乱れている。 
 


 人気のない公園は、寂しい。

 皆、足早に家に帰っていく。



 でも、物思いにふけっている私にはちょうどいいかもしれない。



 それに・・・風で揺れるブランコをみて・・・なんとなく乗りたくなってしまった。



 子供たちがいないのをいいことに、乗ってしまう私。

 錆びたにおいのする鎖をにぎって、地面を蹴った。



 ゆっくりと、ゆらゆらと・・・私の身体の動きに合わせて、ブランコが揺れる。



 ちっちゃい頃は、よくこの公園で遊んだ。

 光くんがいないのを確認してからだけどね。

 だって、みつかるといつも追い掛け回されて、頭にかまきりのせられたり、ちょうちょをリボンだっていってくっつけられたり・・・滑り台の上に、置き去りにされたりしたから。



 ・・・考えてみると・・・私、ずいぶんなこと、光くんにされてる。



 でも、それも中学一年生の時、光くんに追いかけられたのを最後に、おわっていた。

 


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