大嫌いだから、ね? ②(短編)
3
だんだんと、オレンジ色の夕日が沈んでいく。
学校帰り、私は、公園の中に入った。
桜の花は散って、緑色の葉を広げ、地面はクローバーの花が咲き乱れている。
人気のない公園は、寂しい。
皆、足早に家に帰っていく。
でも、物思いにふけっている私にはちょうどいいかもしれない。
それに・・・風で揺れるブランコをみて・・・なんとなく乗りたくなってしまった。
子供たちがいないのをいいことに、乗ってしまう私。
錆びたにおいのする鎖をにぎって、地面を蹴った。
ゆっくりと、ゆらゆらと・・・私の身体の動きに合わせて、ブランコが揺れる。
ちっちゃい頃は、よくこの公園で遊んだ。
光くんがいないのを確認してからだけどね。
だって、みつかるといつも追い掛け回されて、頭にかまきりのせられたり、ちょうちょをリボンだっていってくっつけられたり・・・滑り台の上に、置き去りにされたりしたから。
・・・考えてみると・・・私、ずいぶんなこと、光くんにされてる。
でも、それも中学一年生の時、光くんに追いかけられたのを最後に、おわっていた。