大嫌いだから、ね? ②(短編)
「ああ、もう、わけわかんない!」
いって、勢いよくブランコを揺らした。
ぐっと地面から離れる。
高いところは嫌いだけど、ブランコは嫌いじゃない。
しかも座って乗るより、立って乗るほうが好き。
制服のワンピースのすそが、風と勢いではためいた。
「なにしてんの?」
あきれたような声が真横から響いた。
そこには光くんがいた。
ちょっと困った顔している。
「ブランコのってるけど、みてわからない?」
「わかるけど・・・」
光くんはついっと目をそらした。
顔が少し、赤い。
なんで?
「おまえ、そんな格好で・・・そんな勢いで、ブランコ乗って・・・。
わかんない、陽菜?
足見えてるし、もっといえば、パンツみえるぞ。
・・・ていうか、みえたし」
「!?」
ウソ!
私は反射的に、ブランコの鎖から手を離して、スカートを押さえた。