大嫌いだから、ね? ②(短編)
 落ちた私を光くんが受け止めてくれたんだ。



 真横でブランコが衝撃で無人のまま、激しく前後に揺れていた。



「あ・・・ありがとう」



 どうにか声を出した。



 身体をおこそうとしたけど、きつく、きつく光くんが私を抱きしめていて、身動きすら出来ない。



 どくん、どくんって、自分の心臓の音が聞こえるような気がした。



「あ・・・あの、光くん? は、はなして?

 も、もう、大丈夫だから」

「・・・はなさないっていったら、どうする?」



 かすかにかすれた声で、光くんがいった。

 抱きしめる腕の力が強くなった気がした。



「は、はなさないって・・・そんな困る」

「困っても、嫌がっても、はなしたくない。・・・陽菜」



 両の手はしっかりと私の腕をつかんだまま、光くんが顔をあげた。

 真っ直ぐ、怖いくらい、真剣な顔で私をみた。








  



  


 





 
 
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