大嫌いだから、ね? ②(短編)
 長岡くんは高校の同級生だ。

 入学式のとき、男子代表で挨拶した人。私は女子の代表。

 それから、生徒会でも一緒になって、よく話すようになった。

 でも、長岡くんの家は、場所は知らないけど、駅をはさんで、私たちとは反対側のはず。



 なんで、ここにいるの?



 長岡くんは、肩をすくめた。



「なんで、どうしてって? それはこっちの台詞だって。

 公園で、地面に座り込んで、二人してなにをしているわけ?」

「あ、それは」



 私はぱっと光くんから離れて、立ち上がった。



「わ、私がブランコ乗ってたら、落ちちゃって。それで、光くんがたすけてくれて」



 しどろもどろの説明に、長岡くんは黒い目を細めて、笑った。

 優しい笑顔だ。



「ブランコ? 乗ってたの? 陽菜さんらしいね」



 
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