大嫌いだから、ね? ②(短編)
 それに・・・


 電車通学の私。

 光くんは、自転車通学。

 当然、時間的に朝から出会うはずはないんだけど・・・

 でもでも、光くんは毎朝、公園の前で待っているんだ。

 約束なんて一度もしたことないのに。



 ・・・それだけならまだしも、到着駅のほうにもまっていたりして・・・。



 どういうスピードで自転車に乗ってるの? もっとも、二駅だけだけど。



 それで結局、どういうわけか学校まで一緒に登校している。

 一度、なんで学校に一緒にいくのって聞いたら、牽制?とかいったりして、よくわからないよ。


 
 それに、私の鞄や荷物も自転車に乗せてくれたりするんだ。

 前みたいに私の大嫌いな高い場所に、置き捨ててきたりしない。

 ちゃんと学校まで持っていってくれる。

 優しい、光くん。



 でもでもでもね、なんだか変。優しい光くんなんて、変。

 意地悪がいいってわけじゃないけど・・・でもでもでもね、優しすぎて怖い。



 なんだか・・・とんでもない裏があるんじゃないかと思ってしまう私は・・・変なのかな?




 ようやく五月半ば。

 私と光くんの、高校生活はまだまだ始まったばかり。 






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