大嫌いだから、ね? ②(短編)

「おまえ、ねらって、じゃましただろ?」

「? なんのことか、ぜんぜん、わからないよ、海老原」

「うそつけよ、長岡」



 なんだか、青白い火花が二人の間でばちばち散っているみたい。

 

 わたしは、じりっと一歩さがった。

 クリアファイルを握り締め、ブランコのそばに置いたままだった鞄をすかさず、手に取った。




「わ、私、もう帰るね」



 とりあえず、いって踵を返そうとする。

 二人が同時にいった。



「おくろうか?」

「おくる!」



 私はぶんぶん、首を振った。

 
< 21 / 40 >

この作品をシェア

pagetop