大嫌いだから、ね? ②(短編)
「おまえ、ねらって、じゃましただろ?」
「? なんのことか、ぜんぜん、わからないよ、海老原」
「うそつけよ、長岡」
なんだか、青白い火花が二人の間でばちばち散っているみたい。
わたしは、じりっと一歩さがった。
クリアファイルを握り締め、ブランコのそばに置いたままだった鞄をすかさず、手に取った。
「わ、私、もう帰るね」
とりあえず、いって踵を返そうとする。
二人が同時にいった。
「おくろうか?」
「おくる!」
私はぶんぶん、首を振った。