大嫌いだから、ね? ②(短編)
 資料の山を危うく、床一面にばら撒いてしまうところだった。



 放課後の生徒会室。

 私と、長岡くんは会長に頼まれて、資料作りをしていた。

 ようやく、ホッチキスで資料を全部まとめ終わったところで、長岡くんが唐突にきいてきたの。



「陽菜さんと、海老原ってつきあっているの?」


 って。

 すでにその手の質問は理佳にもされていたし、一緒に登校していることを知っているクラスメイトからも、よくされていた。

 もちろん、答えはNoなんだけど・・・。

 でも、まさか長岡くんからも聞かれるとは思わなかったので、おもいっきり動揺してしまった。



「えっ、ええ、どうして?」



 なんで、なんで、みんな同じことばかりを聞くのだろう。

 そんなに、それって気になる事柄なの?



「つ、つきあってないです。

 つきあうなんて、そんなことないです」



 長岡くんは男の人なんだけど、とっても優しくて、女子学校育ちの私も、構えることなく接することができた。

 だから、他愛のない話をしていたんだけど・・・。

 
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