大嫌いだから、ね? ②(短編)
つきあうとか、そういう話が出るとは思わなくて、思考回路が混乱して、なにをいっているのか、私はよくわからなくなってくる。
「光くんは、幼なじみとはちょっと、ちがうけど・・・昔から知っていて。
私、散々いじめられてきたし、いつも、いつも、追いかけられて。
今はそんなことないけど、でも、つきあうなんて・・・」
「そう?」
「そうです」
・・・なにいってるんだろう、私。
光くんは、昔はいじわるだったけど、今はとっても優しいのに。
「でも、海老原は陽菜さんのこと、好きだと思うよ?」
「え?」
「絶対、好きだと思うけど?」
机に座ったまま、私をみながら、長岡くんは言った。
「陽菜さんは、海老原のこと、どう思ってる?」
「わ、私?」
光くんをどう思ってるって・・・?
光くんはいつもいつもいじわるで私を泣かせて・・・でも、でも、今はとても優しくて・・・。